2017年4月23日 立山(残雪期 雪山)

今回は残雪期の立山をご紹介します。
立山といえば、山登りをしない人でも名前だけは聞いたことがあるのではないでしょうか。また、観光で行かれた方も多いかと思います。

アルペンルートという文明の力のおかげで、富山方面からであれば、公共交通機関を使ってほんの1時間強で標高2,500mの世界に足を運ぶことができ、そこから気軽に3,000m級の山を楽しむことができます。そのため、立山には春・夏・秋とたくさんの登山者(および観光客)が訪れますが、この地域は世界でも有数の豪雪地帯なので、さすがに11月末をもってアルペンルートは運行休止となり、12月からは人を寄せ付けない3,000m級本来の姿に戻ります。そんな立山も、4月半ばになると再びアルペンルートという文明の力によって、(強制的にではありますが)5ヶ月弱の長い眠りから目を覚まし、普通の登山者では通常体験できないような3,000m級の雪山フィールドや、雪の大谷といった観光スポットを提供してくれるのです(ただし、この時期の立山はまだまだ冬山で、寒気が入ると一気に厳冬期の冬山へと戻るので注意が必要です)。

ところで、立山は私の思い入れの深い山でして、何を隠そう、私の初登山はこの立山でした(初登山の詳細はまた別の機会に(^_^))。当時は会社の先輩にいやいや(笑)連れられてきたのですが(しかも初心者なのに雄山ピストンではなく、縦走(反時計回り))、まさかここまで山にはまってしまうとは当時は思いもしませんでした(^_^;)。そして、私の百名山への挑戦は、この立山から始まったのでした。

その後、剱岳にあわせて立山縦走(時計回り)をしたので、もうしばらくは立山に登ることはないだろうと思っていたのですが、アルペンルート開通日の立山の様子をヤマレコで見ていてもたってもいられなくなり、翌週の日曜日が全国的に高気圧に覆われるということで、20162017シーズンの雪山の締めとして(20162017シーズンは大雪で、結果的にはまだまだ雪山を楽しみましたが(^_^;))、雪山の立山を楽しんできました。

ちなみに、この時期は一般的に残雪期と呼ばれるのですが、20162017シーズンは大雪だったこともあり、厳冬期と変わらない雪山を楽しむことができました。


【天候】快晴♪
【コース(標高)・時間】室堂(2,420m)7:40 → 一の越山荘(2,700m)8:40~8:50 → 雄山(3,003m)9:40~10:00 → 大汝山(3,015m)10:30 → 富士ノ折立(2,999m)10:45 → 別山(2,874m)12:15 → 剱御前小舎 12:30~12:40 → 雷鳥沢キャンプ場(2,290m)13:05 → 雷鳥荘(2,370m)13:25 → みくりが池温泉(2,410m)13:45 → 室堂 13:55
※標高はおおよそです。


深夜3時半頃、立山駅に到着(写真は出発時に撮影)。今日は日曜日で土曜日に室堂に宿泊する人が多かったのか、駅手前の駐車場はこの時間でもほぼ満車でした。ここで1時間ほど仮眠をとりました。さすがにこの時期の車中泊は寒かったですが(寝袋を忘れました(^_^;))、ハードシェルを着込むと意外と大丈夫でした。

立山駅です。2014年秋の剱岳・立山縦走以来。ここから登山口の室堂までロープウェイとバスで登ります。約1時間で、一気に2,000mも標高を稼ぎます。ほんと文明の力には感謝しかありません。
この日の始発は6時で、チケットは5時20分に発売開始でした。5時前に駅の様子を見に行ったら、すでに20人ほど並んでいて、慌てて列に加わりました。快晴予報の立山はおそるべし(^_^;)。

チケット売り場。朝からお疲れさまです。ちなみに、先着順に乗車便を選べます。幸い始発便を選ぶことができました。

便指定なので、前もって並ぶ必要がないのが助かります。おかげで、出発時間までゆっくりと準備できました(^_^)。

モニターに写る室堂は快晴♪思わずテンションがあがります。昨日上で泊まった人たちは最高の朝だったでしょうね。私も用事がなければみくりが池温泉に泊まりたかった(>_<)。
ちなみに、モニターの上には2羽のツバメがいました。かわいい(^o^)。

出発時間になったのでケーブルカーに乗車♪ここに来ると、立山に来たって感じがします(^_^)。

あっという間に美女平へ。

ここでケーブルカーからバスに乗り換えます。ちなみに奥に見えるのは…

鍬崎山です。鍬崎山もまだまだ真っ白。
それにしても最高の天気です♪

バスの車内から見る称名滝。日本一の落差を誇ります。この後爆睡。

目を覚ましたら目の前は雪の壁!立山名物、雪の大谷です。

バスに揺られること約1時間。立山の玄関口である室堂に到着。雪の大谷は今年はなんと19mもあるそうです!ただ、今日はあちらではなく、雄山方面へと向かいます。ターミナルで登山届を提出して出発。この日は縦走(反時計回り)予定だったので、バックカントリーではなく、アイゼン・ダブルストック(ピッケル)で挑みます。初登山と同じルートです。


目指す雄山。初登山の時はめっちゃ遠く感じましたが、今はめっちゃ近く感じます(笑)。この辺りは観光客もたくさん来るので、雪は踏み固められています。モフモフを期待するなら、開通日に来ないとダメですね(^_^;)。
山頂は暴風ですが、徐々に風はおさまっていく予報だったので、予報を信じて山頂を目指します。

と、その前に、振り返ると奥大日が。こちらも魅力的です。来年はあちらにチャレンジしようかな。

まずは雄山に向けて出発。この時間はさすがに観光客はおらず、登山者ばかり。それにしてもスタートから雪がたっぷり♪この時期は一般的には残雪期と呼ばれるのですが、厳冬期と遜色ない雪の量・質でした。

山頂は相変わらず暴風が吹き荒れています。

しばらく歩くと室堂山荘が。こちらもたくさんの人で賑わっています。室堂山荘にはまだ泊まったことがないので、いつか泊まってみたいところ。

前方には先行者がたくさん。ここが立山のいいところ(であり悪いところ)(^_^;)。

左手には早速絶景が♪立山が波打っています。

よく見るとシュプールが刻まれています。ここから見ると、引っかき傷みたいで痛々しい(^_^;)。無傷の立山を見るためには、降雪後1番に来ないとダメですね(>_<)。

とはいえバックカントリーは絵になります。

でもやっぱり痛々しい(>_<)。次は降雪後一番に来ることを固く誓いました。

雷鳥沢・別山方面。

そして、室堂方面。360度すべて絶景です♪

徐々に傾斜がきつくなってきますが、アイスバーンではないので、さくさくと登れます。

太陽が眩しい(>_<)。
山頂は相変わらず暴風です(むしろ風は強くなってる?)。

一の越山荘が見えてきました。

出発から約1時間。一の越山荘に到着。ここで一気に景色がひらけます。暴風で前に進めそうにないので、絶景を見ながらしばらく待機することにしました。

南アルプス中南部が一望できます。スタートから約1時間でこの絶景を味わえるなんて、さすが立山。笠ヶ岳から常念岳、その奥には南アルプスと八ヶ岳も見えます。

笠ヶ岳・水晶岳方面。笠ヶ岳は名前の通り、ほんと笠みたいな形をしています。

槍ヶ岳・奥穂高岳方面。槍ヶ岳はどこから見ても目立ちますね。

常念岳方面。

奥には、南アルプスと八ヶ岳も見えます。

こちらは目指す雄山方面。ここから急登が続きます。風も少し落ち着いてきたので出発。ちなみに、雪のおかげで、夏よりも登りやすかったです(^_^;)。初登山ではここの登りがめっちゃこわかった記憶が。

室堂から続々と登ってきます。

振り返るとかなりの高度感。みなさんアイゼン前爪とピッケルを駆使して直登していましたが、私はそんな技術・勇気はないので、ジグザグ登高しました。

室堂方面も絶景です。

雄山神社が見えてきました。ここまで来れば傾斜も緩くなり一安心。

奥には白山も見えてきました。

雄山神社前の絶景スポット。先ほどの山に加え、薬師岳・黒部五郎岳も姿を現しました。

薬師岳・黒部五郎岳ズーム。どちらも真っ白です♪この2ヶ月後に登ることになるとはこの時は思いもせず(^_^;)。

黒部五郎岳・笠ヶ岳・水晶岳方面。
笠ヶ岳の奥には乗鞍岳も見えます♪

笠ヶ岳から奥穂高岳・槍ヶ岳方面。
こう見ると、笠ヶ岳の方が槍っぽいですね(^_^;)。

槍ヶ岳から常念岳方面。

南アルプスと八ヶ岳方面。ふたつの間には…

なんと富士山も見えました♪(写真ではわかりにくくてすみません(^_^;))。

そして忘れてはいけない白山。

一の越山荘から約1時間。雄山神社に到着。社屋はまだまだ雪に埋もれています。

雄山山頂へと向かいます。予報通り、風も穏やかになってきました。

雄山山頂からは360度の絶景\(^o^)/。まずは薬師岳から常念岳まで。

水晶岳から八ヶ岳まで。

白山から黒部五郎岳まで。

室堂方面も一望できます♪

大汝山・富士ノ折立方面。
雪質もよく、風も穏やかになってきたので、予定通り縦走することにしました。


雄山山頂からの絶景です♪

雄山からの下り。ここが一番の核心部でした。

雄山から約30分。大汝山に到着。気持ちいい稜線歩きだったため、写真を撮るのをすっかり忘れていました(^_^;)。


大汝山山頂からの絶景です♪ 

富士ノ折立・真砂岳・別山方面。別山の奥には剱岳も。休憩所は雪に埋まっています。それにしてもアップダウンが厳しそう(>_<)。

雪庇もまだまだ健在です。

前方には、白馬岳・五竜岳・鹿島槍ヶ岳などが見えてきました。

富士ノ折立まで歩いてきました。登るか登らないか悩みましたが…

せっかくなので登頂(^_^;)。大汝山から約15分でした。

五竜岳、鹿島槍ヶ岳、爺ヶ岳方面。
奥には高妻山や浅間山も見えます。

針ノ木岳・蓮華岳・黒部ダム方面。

黒部ダムをズーム。この時期はまだ凍っているようです。

大汝山・雄山を振り返る。

室堂方面。

剱岳も少しずつ姿を現してきました(^_^)。

右手には内蔵助カール。

ここを滑り降りたら最高でしょうね。

富士ノ折立からは一旦かなり下ります(>_<)。

真砂岳と大走りの分岐に到着。アップダウンにやられてしまい、ここで下ろうかと本気で思いましたが、別山からの圧倒的な剱岳を見たいので、最後の力を振り絞って頑張ります。

大走りからは直接雷鳥沢へと下れます。

前方に雷鳥を発見♪

人生で2回目の雷鳥。初めての雷鳥もここ立山でした。

見事に保護色です。

かわいい(^_^)。雷鳥の登場に少し元気をもらいました。

真砂乗越に到着。ここからいよいよ別山への最後の登りがはじまります。ここの登りはほんときつかった。2012年の初登山の時よりしんどかったかもしれません(>_<)。当時から100山以上登っているのに全然成長していません…やっぱり若さには勝てませんね(^_^;)。

別山(南峰)に登頂。

雄山方面を振り返る。かなり歩いてきました。

ここからは剱岳の絶景が\(^o^)/。と思ったら、目の前は雪orz。しばらく先へ進むと…

ついに剱岳が全容を現しました\(^o^)/。この景色が見たかったのです。大走りで諦めなくてほんとよかった(>_<)。

剱岳をズーム。雪を寄せつけない剱岳とはいえ、20162017シーズンの大雪でまだまだ雪が残っています。

剱岳と後立山・白馬三山方面。ほんと絶景です。
絶景に見とれていると、外国人が声をかけてきました。写真をお願いされるのかなと思いましたが、なんとこの先にも雷鳥がいると教えてくれました。

少し進むとほんとに雷鳥発見♪

剱岳を眺める雷鳥(右端に小さく写っています)。彼なら厳冬期の剱岳でもひとっ飛びなんでしょうね(^_^)。

剱御前小舎に到着。この時期はまだ休業中です。

ここから雷鳥坂を下ります。

奥大日方面。あちらもかっこいい♪

シリセードで一気に滑降(ただし、この時期の雷鳥坂は雪崩のおそれがあるので要注意です)。

あっという間に下ってきました(疲れすぎて写真の枚数もかなり減ってきています(^_^;))。

雷鳥沢が近づいてきました。

雷鳥沢キャンプ場に到着(後ろは雷鳥坂)。ここでのテン泊は憧れですが、今日は日帰りなのですぐに出発。

しかし、ここから数々の登山者の心を砕いてきた登りが始まります(>_<)。別山の登りで力を使い果たしてしまったので、この登りを目の前にしたときには絶望しかありませんでした。初登山の時もここで泣きそうになりました。数十歩歩いたらしばらく休憩の繰り返し。エベレストに挑戦しているかのようなスローペースでした(もちろんエベレストには挑戦したことはないですが(苦笑))。「なぜ私はこんなにしんどい思いをして山に登っているのか」という根本的な疑問が湧いてくると同時に、「今日を最後に山登りは引退しよう」と考えるまでしんどかったです(^_^;)。

雷鳥沢ヒュッテまで登ってきました。奥にある地獄谷からは火山ガスが噴出しています。

これくらいのアップダウンでも泣きそうに(T_T)。

泣きながら歩みを進め、ようやくみくりが池まで戻ってきました。雷鳥沢から約40分もかかりました(>_<)。夏はコバルトブルーの池も、今日は真っ白。

みくりが池温泉に到着\(^o^)/。日本一高所にある温泉ですが、なんとシャンプー・ボディーソープも使えます。温泉に入りたかったのですが、今日は時間がないので泣く泣く通過。ちなみに、みくりが池温泉は、私が今まで泊まった山小屋で1番の山小屋です(みくりが池温泉を山小屋と位置付けることには異議があるかもしれませんが(^_^;))。温泉はあるし、ごはんはおいしいし、それでいて山小屋の雰囲気も味わえる最高の山小屋です。

室堂ターミナルが見えてきました。すでに疲労困ぱいで、あそこまで歩くのもしんどかった。

出発から約6時間。スタート地点に戻ってきました。無事残雪期の立山縦走を達成。距離・標高差的にはそれほどしんどくないはずが、めちゃくちゃしんどかった(>_<)。
ちなみに、
この時間になると観光客がたくさん。疲れ果てた私を尻目に、みなさん雪に大はしゃぎ。

ターミナルは大賑わいです。ここからが今日の核心部でした。立山駅に戻るのに、行きの倍の約2時間かかりました(^_^;)。

雪の大谷は大盛況。今日は時間がなくて雪の大谷を散策することはできませんでしたが、またいつか観光で訪れたいと思います(^_^;)。


前回・前々回はほぼ初心者だったのですが、この2、3年いろいろな山に登ってきたので、立山なら楽勝かと思っていたのですが…こてんぱんにやられました(>_<)。
室堂から見る雄山は5年前に初めて見たときより近くに感じ、実際に雄山までは余裕だったのですが…それからがアップダウンの連続でしんどいのなんの。
雪山と夏山の違いがあるとはいえ、全く成長していませんでした。
唯一成長したのは、前回、前々回では区別がつかなかった周囲の山々を区別できるようになってきたことくらいかな(^_^;)。
とはいえ、スタートから終始絶景で、雪の量・質も最高で、最高の登山となりました。3,000m級の山を、そして絶景を季節に関わらず気軽に楽しめるのは立山より他にはありません。
是非
一度は立山に訪れてみてください(^_^)。